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アンカリング

アンカリングスイッチ

アンカリングとは、外的な刺激や内面の経験を引き金にして、自分の感情や身体的な反応を結びつけるテクニックです。

 

引き金に当たるものを「アンカー」と呼びます。

 

スイッチを押すと電気がつくことを思い出してください。

この原理がアンカリングの比ゆになります。

ある刺激が、ある応答を自動的に招くことをいいます。

 

 

■私たちは日常で知らず知らずにこのアンカリングを活用しています。

 

例えば、営業でまた断られるかもしれないという不安がでたときに携帯の待ち受け画面に子どもや大好きな人の写真を入れてみたり、スポーツで自分の気持ちを高めるために自分の好きな音楽を聴いてみたり、アロマなどが好きな人は気分を変えるためにそれをかいでみたり、ストレスを回避するために、美味しいものを食べに行ったり。。。

 

また、これとは逆のこともあります。

例えば、子供の頃食べた玉ねぎが美味しくなかったので、今でもそれを見ると嫌になる。会社に行くのが気が重い。(サザエさん症候群)何かやろうとしても「時間がない」「お金がない」ということや「うまくいかない」イメージが浮かび、先延ばししてしまう。

こうしたことも私たちが生活の中でアンカリングしてしまったことです。

 

これは人が自然と身につけていることで、見方を変えると「学習のプロセス」ともいえます。

 

例えば、車の運転も、初めは頭でこれの次はこう、と思い描いたり言い聞かせながら習得していきました。

その過程で、なんらかの神経的なプロセスが進行しプログラムが構築されているのです。

無意識にある情報や感覚(これをリソースという)をどのように順序立てて、道筋をつけていくかという内的なプロセスを学んでいるのです。

 

やがて、こうした学習が意識しなくてもできるようになるのです。

 

 

■ NLPがアンカリングをどのように生み出したのか?

 

NLPが生まれるときにモデリングの対象となったミルトン・エリクソンの技法からと言われています。

 

エリクソンは催眠療法では稀代の治療家です。

彼は催眠下である刺激やある出来事が起こると気分が良くなったり、何か行動を起こすような暗示を入れ、その後にはその暗示をしたことを忘却させました。

クライアントは無意識にそれに反応して、その人にとって好ましい心の状態を体験できるというものでした。

 

これをNLPの創始者たちは、より意識的に活用できるようにしていきました。

 

 

アンカリングの話が出ると、理解しやすいためによく使われる心理学の実験がパブロフの犬の実験です。

 

通常、ベルを鳴らしても犬はよだれをたらしません。

しかし、ベルを鳴らしてから、餌をあげることを繰り返していると、ベルを鳴らしただけで、餌を出す前からよだれが出てくるようになります。

これを「条件付け」と呼び、一種のプログラミングを表しています。

 

 

これは、犬だけに限らず私たちの日常生活でも頻繁に起こっていることは先ほどお話ししましたね。

私たちの習慣やクセになっているものもこうした条件付けが働いていることがあります。

 

例えば、私がNLPを学ぶ前、近くで大声で怒鳴っている声がすると私のことで怒鳴っているわけではないのに、体が震えたり萎縮したりすることがありました。

これは、私が小さい頃おじいちゃんが突然、家で大声でおばあちゃんを怒鳴る声を聞いてびっくりしたり、おばあちゃんが怒られているのが自分のせいだったことがあるので、そのことを条件付けしてしまった結果です。

 

こうしたとき、先日お話したストラテジーが自動的に働きます。

Ae(大声)→Ki(身体が緊張する)

 

 

■アンカリングの言葉の由来

 

アンカリングとは、そのまま訳すと「錨をおろす」こと。

つまり、船が波に流されないように錨を海深くに沈めることに例えています。

 

波のようにやってくる環境の変化に対応するために常にさまざまなことに注意を払う私たちの意識を、深い無意識にあるリソースにつなぐことで、様々な変化があっても心の状態が安定して、対応ができるようにするものです。

 

アンカーは「錨」のことです。

アンカーは何か外的なものを知覚したときに、特定の感覚に注目を向ける刺激です。

 

例えば、動物園というと、動物の鳴き声やお父さんとお母さんとの思い出や遠足など、いくつかのことが連想されませんか?

特定の刺激は私たちの記憶を引っ張り出したり、連想させる力があります。

その刺激には幾つもの種類があります。

 

言葉や思考も、別の結果や行動に繋がるという意味ではアンカーなのです。

 

そして、アンカーを受けると私たちは感覚や感情に影響を受けることがあります。

アンカーの役割は、意識をシフトさせることや意識の方向性を変えることを促します。

 

 

■どのように活用するのでしょうか?

 

アンカリングはさまざな活用の仕方がありますが、

とりわけ何か一つあげるとすると

 

ステイト(心身の状態)・マネジメント

 

です。

 

※ステイトとは?

http://nlpfield.jp/post-1998/

 

先程お話ししたように、私たちは外のさまざな環境や自分の意識していない言葉や感情などに自分の心身の状態は影響されてしまいます。

なかには自分自身の気持ちや感情をマネジメントできない、と考えてしまう方もいます。

 

例えば、人間関係において、大切な人といい時間を過ごしたくても心配や不安があれば、それどころではないときもあります。

このとき自分自身の心や身体の状態をいつでもよくできれば、と思うこともあるかもしれません。

 

また、高い目標に向かう場合や決断を迫られたとき、私たちが良い結果を創り出すためには、自分自身が「良い状態」になっていることが大切なことを私たちは、経験的に理解しています。

しかし、私たちはこれらのことを「気分が悪い(良い)から、仕方がない」ということでなぜだか、何かに任せている表現をしてしまいます。

 

私たちに大きな影響を与えるこうした気分や心の状態を、自分自身で変化させることができたら、あなたには、どんなものが手に入るのでしょうか?

 

ステイト・マネジメントとは

 

1)不調なときは気持ちや感情を安定し、改めて自分の目指す方向に向けていける動機付けをできるようになること

2)順調に行っているときは、ピークパフォーマンスがでるようになることあなたの無意識にあるリソースを自在に活用して、自分の感情、気持ちを望ましい方向にすること。そして、それを土台に、思考や行動を連携していくこと

をいいます。

 

このときに大きな力を発揮するのが、アンカリングなのです。

 

先程の私が電車の中で大きな声を出されてビクビクしてしまった例では、

Ae(大声)→Ki(身体が緊張する)から

この連鎖を切るために大声が出てきたら、アンカリングを実行します。

 

Ae(大声)→↑

       ↑

       Ke(腕を握る)→Ki(安心感が生まれる)

 

こうするとで以前のプログラムが中断して新しいストラテジーが確立されるようになるのです。

 

日常でアンカリングは活用しましょう!

 

私はこれを理解してから自分の普段住む部屋に、自分にとって心地の良いものを置くようになりました。環境が、私たちの心に影響をしてくるからですね。

また、本当にこれから人生を変えたいというときは引越しをしました。

特に、病気をしたあと、身体を治癒するときは前の家にいたときにまつわる想い出や経験を排除することもあってよく引越しをしています。

 

昔の人は、お守りを買ってみたり、女性の方も髪を切るなど、いろいろと気分転換の方法を知っていると思います。自分なりの儀式を作っておくのもいいかもしれませんね。

 

 

■アンカリングは、脳の構造上からも説明できます。

 

昔から、脳は3層に分けられているといわれていました。

 

その3つの層は、

 

1)脳幹

2)大脳辺縁系

3)大脳新皮質

 

です。

 

1)脳幹

脳幹は、生命システムの根源ともいえるもので、ある説によれば、爬虫類の頃に発達したものと言われています。俗称的には、生命脳とも呼ばれます。

脳幹は、私たちが意識していない心臓の働き、血圧、呼吸などの調整を行なっていたり、ホルモンを分泌させることで身体に緊張を走らせたり、リラックスさせたりします。

 

2)大脳辺縁系

この部分は、哺乳類になってからよく発達した箇所と言われています。

主に感情や心の状態を司っているといわれています。

そのため、感情脳と呼ばれることもあります。

この部位は、視床や視床下部、扁桃体や海馬など感情の種になる情動が発動されやすい回路が備わっています。

快感には視床下部が、不快な感覚は視床などと関係しておりその情報が扁桃体に記憶され、好みの問題がでてくるようです。

また、大脳辺縁系は、内臓の働きにも影響しているので感情と内臓の関連性もあるのではないかと言われています。

 

3)大脳新皮質

この部分は、人類になってより発達したといわれています。

特に社会的な関係を築くときに大切であり、イメージや言語を司る脳とも言われています。俗称としては、社会脳や言語脳とも呼ばれます。

 

この部分が、内面で生じるさまざまな感情に対してラベリングをして、想起しやすいようにしたり、区別しやすいようにしています。

例えば、何かをみてハッとしたとき「驚き」と取るか、「怒り」ととるか、「悲しみ」と取るかはその状況や人との関連から、言葉でラベリングして認識し直す役割を果たしていきます。

 

これらの脳の仕組みを利用してリ・プログラミングすることが大切です。

 

脳の仕組みを理解すると私たちは、怒りというものが存在しているのではなく何かしら内面で生じた神経回路の働きやエネルギーに対してラベリング(名づけている)ことだけなんだ、ということがわかります。

またある状況で、これまでのどんな記憶や経験と関連づけるかが私たちの感じ方に大きく影響を与えます。

では、私たちはこの記憶や経験をうまく活用できれば心の状態を変化させることができるということです。

 

アラジンと魔法のランプというディズニーでも非常に人気の高い映画がありました。

ランプをこするとジニーというランプの精が3つまで何でも願い事を叶えてくれるというものです。

私たちの心の中も、この魔法のランプとジニーと同じ関係があるのです。

 

私たちの思考や言葉(大脳新皮質)が、感情や身体状態(大脳辺縁系や脳幹)に影響します。

また、感情や身体状態が、私たちの思考や言葉に影響します。

 

 

例えば、右手で左手のどの部分でも触ってください。

そして、心をこめて

「その部分がだんだんと腐っていく、腐っていく」と唱えてみてください。

その部分はあまり心地よい感覚にはならないでしょう。

今度は「温かくなる、温かくなる」など肯定的な表現を心をこめてしてみて下さい。

 

普段、ものごとや出来事に出会った時や何もしていないときに、自分が何を考えているかに気づいてみてください。

 

その思考や言葉が、あなたの感情や意識の方向性を創っていることに気づくでしょう。

逆に、外が埃っぽかったり、満員電車で誰かがケンカしていたり極度の疲労が身体にたまっているときあまり良い思考は働かないでしょう。

言葉も、「うるさいなー」とか「つかれたな」とかそういった言葉がうまれてくるでしょう。

 

思考・言葉⇔心・身体状態というのは相互交流しているのです。

 

そして、その相互交流を何度も循環させたり増幅させたりすることで感覚が強化されたり、繰り返されることで学習していきます。

 

これを例えると、折り紙は無限の折り方でさまざまな形をつくることができるのに、形の作り方を覚えてしまったら紙に折り目が入ってしまって、ずっと同じ形ばかり作り続けることに似ています。

 

このように、ひとつの枠組みに収斂していくことを組織化といいます。

 

否定的な思考は、心の中で否定的な感情や心の状態を組織化しやすくなります。

肯定的な思考は、心の中で肯定的な感情や心の状態を組織化しますくなります。

 

そして、その組織化される材料が何かといえば私たちの感覚の構成要素であるサブモダリティなのです。

 

アンカリングとは、意識をてこに無意識のサブモダリティを通してリソースをいかに組織化し活用させるかという奥義なのです。

 

 

■アンカリングを行うための2大原則

 

 

私たちがアンカリングを自然に行うのは

 

1)強烈な感覚、感情の伴った体験[1回でできる]

2)繰り返し

 

この2つによってです。

 

先程、脳のお話をしましたが、「海馬」という記憶の門があります。

この海馬が、長期記憶にするか短期記憶にするかを判断します。

 

海馬は、「扁桃体」という感情を司る脳と連携しています。この扁桃体への刺激が強いとき、海馬にやってきた情報を記憶します。

また、繰り返しやってくる情報は海馬は命にとって必要な情報と勘違いして、記憶をします。

繰り返し脳に信号が走ると、その神経回路が強化されることも関連しているでしょう。

 

具体的には、トラウマや恐怖症などは、1)のような強烈なアンカーです。

こうしたアンカーで人生を制約されている方もいらっしゃいます。

NLPを学ぶ以前の怒鳴る声でびくついていた私のように。

 

ここで気づいて欲しいのは、そのように一瞬で恐怖症が作れるのなら一瞬で解除することもできないだろうか、また、その構造自体を良い方向に向けて作れないのだろうか、というのがNLPの着眼点です。

 

 

■アンカーの種類

 

アンカーには、状況によって意味があるものと、いつでも意味があるものがあります。

例えば、家で黄色いランプをみても、アクセルを吹かそうとは思わないでしょうが、

電話の音を聞けば、どこにいてもあなたは受話器を取るでしょう。

 

アンカリングは、あなたの意識のスイッチをうまく活用させて、あなたの気づいていない無意識領域にある思考・行動パターンやリソースといわれる情報・感覚をあなたの望む方向にむかって構築・学習していくプロセスなのです。

そして、自分がある記憶や経験から作り出したアンカリングを、別の状況で応用していくことなのです。

 

 

■アンカーを作る際の4つのポイントです。

 

1.タイミング

相手の感情や気持ちが高まっていく途中のプロセスで刺激をします。

まちがっても、一番高いところから下降していくところで押さないようにして下さい。

相手をよく観察して行なうことがポイントになります。

 

2.強烈度

実体験で行なう。(場合によっては分離体験でもよい)

実体験でも強度が低い場合は、サブモダリティを活用して相手の内的な現実(地図)の強度が上がるサポートをしていきます。

 

3.純粋性

(1)一致した状態が望ましい。

混ざり物や、葛藤のない状態をアンカリングしましょう。

 

(2)不一致の状態のときには

2人で行なうときは、観察しているとわかることがあります。

例えば、言葉と非言語が異なる場合です。

相手にそのことを伝えて、相手の反応から、一致した状態に合わせていきます。

 

特に、相手が「やりたい気持ちが高いのですが、不安もあるのです。」と言った場合、一度「不安を脇においてやってみませんか?」もしくは、「不安の奥にある肯定的な意図は何がありそうですか?」という対応で、一致した状態を形成していきましょう。

 

4.個別性

アンカーの場所は、あまり日常的でないところにしてください。例えば、手のひらにアンカーを作ったとき手を握るたびに、その場所に刺激が入り、良い経験と結び付けても、すぐに他の経験が混じってしまいます。

ちなみに、刺激については視覚的なシンボル、聴覚的な掛け声、身体感覚への刺激など感覚を使えばどんなことOKです。

シンプルで、五感全てが使えると感覚や感情の強度がますためさらに効果が高くなります。

 

この4つのポイントを押さえて

自分に必要な心の状態を引き出せるようにしてみましょう。

 

 

■具体的な手順について

 

アンカリングで使いたいテーマは、とりあえず2つの方向で考えてみてください。

 

1)現在問題を抱えているか、直近で望ましい心の状態として手に入れたいものがある。

2)普遍的に心の状態をよくしたい。

 

1)の場合、例えば大切な仕事があるので、緊張せずに高いモチベーションでいたいなど具体的に活用したい場面が明確になっているときは、

 

  1.   自分がその具体的な場面で欲しい心の状態になったことがある過去の出来事
  2.   自分がその具体的な出来事で、思い出しておくと役立つ過去の出来事
  3.   自分がその具体的な場面でその心の状態を手に入れている未来の出来事

 

などを用意しておいて下さい。

 

2)の場合は、過去に自分が心満たされたり、誰かに充分愛してもらったりワクワクと楽しんだ体験を思い出すと良いでしょう。

 

 

■手順(人からしてもらうバージョンです)

 

1)コーチやガイド役の人は、エクセレントサークルなどを活用して自分の心の状態をリソースフルな状態にしておきます。

2)相手の状態をよく観察して、ラポールの状態を形成します。

3)事前に、アンカリングする場所をお互いで決めておきます。

自分でアンカリングするのか、コーチやガイドにお願いするのか?コーチやガイドにお願いする場合は、どの場所にどれくらいの強さで押してもらうかを確認します。

4)さきほどの心の状態を活用したい一場面を教えてもらいます。

5)教えてもらった場面に実体験していきます。

6)コーチやガイド役の人はよく相手を観察して、心の状態がよくなってきたピークの前の時点でアンカリングします。(自分で行なうときは、相手にやってもらいます。)

7)実習とは関係のない質問をして、心の状態を一度リセットします。

8)アンカリングした場所を、コーチやガイド役の人が押してみます。

そして、押したときに先ほど実体験で感じた心の状態が生まれてくるかを観察しながら確認します。

※弱いときには、アンカリングした実体験の情報をバックトラックして増幅します。(感覚の強度の増加)

※学習は、感覚の強度×繰り返した回数になるため何度も繰り返して強化します。

9)さらに、感覚を強化したい方はサブモダリティを変更して、感覚強度を高めていきます。

10)意識をリセットします。

実際に問題である場面やこれから起こるであろう場面を想定します。そして、実際に望まない心の状態になるかを確認します。

11)その状態になったら、アンカリングを使ってみます。

心の状態が回復されるかどうかテストして、実際場面に活用できるようにしていきます。

記憶術もアンカリングをうまく活用しています。ぜひ参考にしてみてください。

(この映像ではプレゼンテーションの順番を記憶する際の記憶術が語られています。)

 

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