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NLPの前提

地図は土地そのものではない

スケッチ
「地図」とは「私たちのものの見方、考え方、感じ方」のたとえ(比喩)です。
そして、「土地」とは、私たちの外側にある客観的な世界のたとえ(比喩)です。

 

この前提は、一般意味論というものから生まれてきました。一般意味論とは、1919年頃からアルフレッド・コージブスキーという方が提唱し始めた理論です。

簡単にいうと人間の神経回路の使い方と言語の使い方は、人の可能性を制限している、ということです。

これは、NLPの考え方の根底に影響を与え、「メタモデル」という言語パターンの発展の原点になった考え方のひとつでした。

 

ここで、背景となった「一般意味論」について・・・

第一次世界大戦が終わった頃でしたが、世界は、ドイツのヒットラーの台頭などで、第二次世界大戦への足音が聞こえていた時期でした。

コージフスキーは、そのことについていろいろと深く考えることがあったようで特に、「人間とは何か」ということについて探求していったようです。

そして、人間の持つ能力を人類の進化の方向に向けていくことを提唱して、「科学と正気」という著書で、この内容を一般意味論と名づけました。

 

具体的にすると・・・

●私たちは、物事を「抽象化」しすぎている。まず、そのことに自覚することである。

私たちは、物ごとに対して、いろんな見方をすることができます。
例えば、「あなた」という存在は(男性の場合)、文字通り、男性と見ることもできますし、成人としてみることもできますし、ビジネスパーソンや自営業者等としてみることもできますし、親から見れば、子供として見られることもできます。
ということは、こうした見方は、単なるラベルにすぎません。しかし、私たちの人間関係において、ある側面(ラベル)に着目すると、それ以外のラベルを見ることはありません。

 

例えば、あなたが、上司にムカついていたとしたときに、「むかつく上司」以外の側面、例えば、家庭では愛されている父親(ということもあるかもしれません)という側面には、目がいかないでしょう。

このように、私たちは、思考や行動において、ある側面だけ捉えたり(ラベル化)、抽象化して物事を捉えていきます。

一度、そうしたラベル化や抽象化をすると、そこに囚われてしまいます。
これは、特に、第二次大戦での「ナチス」へのラベル化が挙げられます。

人間的には、どんなに素晴らしい側面をもっていたとしても、ユダヤ人とみなせば、そのラベルだけに同一化させて、他の側面は全て気づかない事態になります。そして、その先には強制収容所行き。。。

 

現代の私たちも、人から言われなくても自分自身で、「自分とはこんな人間だ。」というのを形成して同一化して、そこからなかなか離れられないでいることはありませんか?

コージフスキーは、こうした無用な抽象化を外すためにも様々な科学的手法を用いて、「抽象化していることを意識する訓練」をしたそうです。

「私は知らない、だから見てみよう。」というNLPでは、Know Nothingステイトとも取れる姿勢は、ここから通じているのかもしれません。 (ウィキペディア参照)

 

⬜︎この前提を日常生活で活かすメリット

 

私たちは物事を認識するとき、相手の言っていることを理解するとき、そのすべてを脳で捉えることができません。

そのため、私たちのものの見方から作成された「地図」がときに、私たちの「現実」だと誤って捉えてしまうことがあります。

一例をあげましょう。

この前、ある豊かの自然の地域にお住まいの方に教えてもらったことです。外から来る観光客の方は、自然の花や登山ルートが分かりやすい地図を持ちます。

一方、この土地に住む人は、どの道路が近道で、どこに誰の家や公民館があるかの地図を持ちます。

また、この土地に美味しいものを食べに来た人はグルメマップを持ちます。

 

このように、同じ土地なのにみんながこの土地を理解するための地図は違います。

 

私たちが、ある人の意見や考え方に賛同できないのはどうしでしょう?

これは、あなたの中にある地図(=ものの見方、考え方、捉え方など)が異なるからなのです。

 

私たちは、人生を生きていくときに、その人にとって効果的に生きるための地図を自分の力でつくります

 

その素材は、その人の人生体験や想像力です。
そのため、同じ事実を受け取っても意味づけや解釈の仕方は異なるし、それを表現する方法も異なるのです。

 

しかし、多くの方は小さい頃からのテストを含めて自分の外に正しい答えがある、というトレーニングを受けてきました。

だから、自分の地図があっているのかどうか不安になり、人の意見や一般的な常識や知識に左右されてしまいます。
この前提で伝えたいことは、
自分が見たこと、考えたこと、感じたことを大切にして欲しい
そのことなのです。

 

人はそれぞれ違っていてかまわないし、それでみんないいのです。

 

⬜︎過去に作った地図には今役立たなくなったものがあります。NLPはわかりやすく言えば、役立たない地図を変える技術です。

 

NLPで、これから扱う領域は、私たちがどのように見ているのか、考えているのか、感じているのかという世界です。

これを「主観的な体験(世界)」と呼びましょう。

私たちは、人生何十年とかけて、たくさんの主観的な体験をしてきています。そして、独自の世界観をつくってきています。

そのため、人は誰もがユニークな存在なのです。
そして、この主観的な体験が集められた内面の世界のことを「地図」と呼んでいます。
NLPでは、客観的に何が「真実」かを問うより、あなたにとっての「真実」を探究していって欲しいのです。

 

私たちは、現実の世界に生きているのではなく、 その世界を映し出している私たちの地図の中に生きています。

 

地図は、海外旅行に行ったときに役立つガイドブックのようなものです。

私たちは、人生の中から自分なりの地図を作成していきます。
地図は、私たちを効果的に目的地に連れて行ってくれるものですが、ときに、それが不具合を起こすことがあります。

 

私たちに良く起こりがちなのは小さい頃に有効に活用されていた地図が、私たちの環境がかわり成長したとしても、以前役に立ったというだけでずっと持ち続けて、なかなかその地図を変更しようとはしないことにあります。

 

これは、例えるなら、10年前のハワイのガイドブックをもって、今のハワイを旅するようなものです。そうすると、いろいろと不都合なことが 生まれてくるのは考えられますよね。

 

では、私たちは自分で作成した地図をどのように変えることができるのでしょうか?

 

言い換えると、これまでに身につけてきたものの見方、考え方、感じ方をどのように変えることができるのでしょうか?
NLPには、その方法と答えがあります。それは、これから具体的にお話しますが、今覚えておいて欲しいことは、

 

NLPとは、あなたの地図を今の状況にあった形に柔軟に変更するためのツール

 

なんだということです。

 

NLPでは、その人がダメだ、とか人間として壊れているという見方はしません。

もし、何か問題が起こったときや悩みがあるとき、その人の地図が、今の環境や状況では使い物にならないという立場を取ります。

 

そして、その人の存在や人間性は尊重しながら、どうしたら役立つ地図をつくれるかにアプローチするものなのです。

 

⬜︎逆境に立ち向かうときや目的を達成するのに大事なこと

 

ではどうすれば、役立つ地図をつくれるのでしょうか?

宇宙からみた地球には、国と国の間に境界線はありません。境界線があるのは地図の中だけです。

私たちは、こうして物事を取り扱いやすくするために、いろんなことを区分しているのです。(ラベル化)

私たちが、言葉を使っているものも同じように現実に境界を引くようなものなのです。
虹は何色あるのでしょうか?
多くの方が7色と学んだのではないでしょうか?
しかし、ある国では3色であったり、5色であったりすることもあるので、虹自体は明確に何色ということはありません。

 

それを決めているのは、私たちの認識なのです。

例えば、虹に赤があるというとき、私たちは共通性を見出して、赤以外のところに境界線を引いているわけです。

このように、人は現実に共通性を見出したり、違いを区別する力を本来的に持っているのです。

「分ける」ことは「分かる」ことと言われている由縁です。
この「分かる」というプロセスは、物事を問題か問題でないかを認識するときにも同じように働いています。

 

では、あなたは、問題と問題でないことにどんな境界を引いているのでしょうか?

 

別の事例を見ていきましょう。

コップに半分の水が入っています。

これを「半分しか入っていない」と捉えるか、「半分も入っている」と捉えるかで、捉えた側の認識や思考の前提が変わるのはよく言われていることです。
例えば、あなたが砂漠にいたら半分しか入ってないと思えば落ち込み、「半分も入っている」と思えば、喜べるかもしれません。

 

事実より、その状況におけるその物事の捉え方、解釈や反応に影響されているのです。

ここに変化を創り出せる可能性があるのです。

 

⬜︎地図の仕組みに気づけば、あなたでも容易にコミュニケーションがうまくなったり、生き方が楽になっていきます。

 

私たちは生きていくためには地図をつくらざるをえません。

地図をつくらなければ、スピーチで頭が真っ白になるような状態になってしまいます。

だから、地図のことを理解することは大切なことなのです。

 

どんな風に地図が作られ、それが私たちの生活をどんな風に豊かにしていくのかを知ることです。

そこがまさにNLPを学ぶことの素晴らしさに通じるのです。

 

コミュニケーションについてもこの前提を理解すると役立ちます。

例えば、「自然」をテーマに話し合うとき、自然の雄大さや厳しさについて考えている人と、花や命の儚さについて想いをめぐらしている人ではコミュニケーションがうまくいかない可能性があります。

 

これは、「安心」という価値観が同じ場合でさえ、難しいことがあるのです。

例えば、一方が「安心は、相手を打ち負かすことで得られる」 と考え、もう一方が「安心は、相手と話し合うことで得られる」と考えていれば、コミュニケーションはうまくいかない可能性があります。

 

地図のつくり方が違うからです。

多くの人が自分の地図を頼りにこの世界を生きています。

経験を通して、人はその地図を確認して強固なものにしています。だからこそ、自分の地図を守りたいという気持ちになるのでしょう。

 

人生を通ってきた道のりは一人ひとり異なるため同じ地図はありません。

人を理解するということは、もしかするとこの相手に地図を理解するということに等しいのかもしれません。

だからこそ、NLPでは、自分やその人の地図を最大限に尊重します。

 

「違い」はあっても「間違い」はないということを理解して行ないます。

 

あなたが自分の「地図」の作り方を変えることができれば、あなた自身は望むことに対して効果的に物事を進めていくことができるでしょう。

また、相手の「地図」がどのように働いているのか理解できれば、その人と深く信頼関係を形成できたり、支援できたり、勇気づけたりすることが可能となるのです。

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